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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 97(1): 52-56 (2025)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970052

みにれびゅうMini Review

嗅覚と代謝認知によってつながる関係Olfaction and metabolism: How are they connected?

富山大学学術研究部(薬学・和漢系)臨床薬品作用学研究室Department of Integrative Pharmacology, University of Toyama ◇ 〒930–0194 富山市杉谷2630 ◇ 2630 Sugitani, Toyama 930–0194, Japan

発行日:2025年2月25日Published: February 25, 2025
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1. はじめに

古代ギリシャの哲学者プラトンは,人間が五感を使って認知したと思っている事象はすべて頭の中の理想像「イデア」と照合できたものにすぎない,と説いた.心象の「花のイデア」のおかげで,すべての「花」を知らなくてもそれらを理解可能なのだと.2000年ほどの時を隔て,デカルトやスピノザらの活躍後,ドイツの哲学者カントも,五感を通して捉えたものは事物の真の姿ではなく,先天的または後天的に獲得した認識パターンに当てはめて思い描き出したもの,と考えた.さらに,19世紀にドイツの生理学者ヘルムホルツは,知覚とは外受容した感覚情報そのものではなく,無意識のうちに脳が原因を推定することで生み出すもの,との概念を提起した1).これらの歴史を背景に,今日,感覚系の神経科学分野では,知覚・認知を生み出す脳の予測符号化の原理が活発に研究されている.脳は常に予測(トップダウン信号)を作り出し,感覚系からの入力(ボトムアップ信号)との誤差を基に外界を認知するのである(図1).

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図1 感覚情報の認知:脳は外界の予測装置として機能する

嗅覚に関しては,19世紀に,「他の哺乳類と比べてヒトの脳では嗅球のサイズが相対的に小さいこと」が解剖学的に示され,哲学者フロイトが「ヒトの嗅覚は退化した」と唱えたことで,ヒトの嗅覚を軽視する風潮が浸透した.その結果,嗅覚の研究は視覚や聴覚の研究にかなり後れをとった2).しかし,嗅球の神経細胞数は哺乳類の種間でほぼ一定であること,匂いの種類によってはヒトはイヌよりも高い検出力を示すこと,哺乳類の中でヒトの嗅覚受容体の種類は相対的に少ないものの嗅覚受容体の情報処理に関わる嗅球の糸球体の数が多いことなどが明らかになり,ヒトの優れた嗅覚が見直されている.ヒトの目は数百万色,耳は30万程度の音色を識別するのに対し,鼻は1兆通りもの匂いを識別できる優れた感覚器なのである2)

最近,成人において,匂いをイメージする能力は食物の渇望度や摂取量と関連すること,また長期的には体脂肪増加の間接的な誘発要因であることが見いだされた3).脳の中にある食物の匂いの「イデア」がトップダウンで機能し,生体のエネルギーバランス調節に寄与するようだ.エネルギー代謝や糖・脂質代謝は末梢組織のホルモン作用だけでなく,脳-自律神経系の支配下にある4).そこで本稿では,中枢性代謝調節における嗅覚系の役割について概説する.

2. 嗅覚障害と肥満・糖尿病

鼻腔内において匂い物質が嗅上皮の嗅神経に発現する嗅覚受容体に作用すると,嗅覚受容体のタイプごとにシグナルが脳内の嗅球の糸球体で束ねられ,僧帽細胞や房飾細胞を介して嗅皮質(梨状皮質,嗅結節など)に出力され,匂いが認知される.嗅覚の感受性は栄養素(グルコース),ホルモン(インスリン,レプチン),生理活性ペプチド(グレリン,オレキシン,グルカゴン様ペプチド1(GLP-1),ニューロペプチドY,コレシストキニン)など,生体のエネルギーバランスに関わるさまざまな因子の影響を受ける5).最近の多くの疫学調査や動物実験において,肥満や糖尿病は嗅覚障害と関連することが示されている.高カロリー食摂取に伴う肥満や糖尿病病態では,嗅上皮細胞のアポトーシス,炎症,嗅球の神経新生の破綻などが生じ,嗅覚障害が誘発される5)

3. パブロフの条件反射とインスリンの頭相分泌

空腹の犬は,餌を運んでくる飼い主のベルの音を聞くと涎(よだれ)を垂らす.100年以上前にロシアの生理学者パブロフが見いだした「古典的条件反射」として有名な生理機構である.空腹時に知覚神経系を介して食物の存在を察知すると,食前にもかかわらず反射的に消化や吸収の機能が活性化する.多くの研究者により,げっ歯類やヒトなど動物種を広げて本機構の検証が重ねられ,哺乳類では空腹時における食物の知覚・認知は食前に消化液に加え,インスリンを少量ながら短期的に分泌させることが示された.この食前のインスリン分泌は脳によって制御されており,頭相反応(脳相反応)と呼ばれる.絶食マウスが食物を認知すると,数分後に血中インスリン濃度が一過的に増加するが,同時にグルカゴンやコルチコステロン濃度も増加し,血糖値も増加する6).予見される摂食行動の開始に先立ち,ホルモン分泌のアイドリングを高めて,再摂食時の代謝への適応を促すのであろう.

GLP-1は食事中のグルコース濃度上昇に伴い,小腸下部のL細胞から分泌され,膵臓のGLP-1受容体に作用してインスリン分泌を促進するホルモンである.GLP-1受容体は中枢神経系にも発現しており,嗅球もその一つである.また,嗅球にはGLP-1前駆体タンパク質を発現する細胞が存在し,GLP-1供給源である可能性が示唆されている.5時間絶食した食餌性肥満マウスの嗅球でGLP-1受容体を活性化させると,嗅球→前嗅核→視床下部外側野(GABA作動性伝達)→視床下部室傍核→交感神経系→膵臓のネットワーク経路を介して,膵臓への交感神経入力が低下し,インスリン分泌が促進される.それに伴い,グルコース負荷試験において耐糖能が改善した.摂食抑制効果も認められた.やせ型マウスにおいても,嗅球のGLP-1受容体の活性化により,わずかではあるが有意な耐糖能改善作用が認められた7).嗅球においてGLP-1は嗅覚情報のアウトプットを担う僧帽細胞を活性化する作用を有するので,嗅球で認められたGLP-1作用は嗅覚と糖代謝の連係の起点となりうる.ただし,本機構が,空腹時の食物知覚に伴うインスリン分泌の頭相反応の機序かどうかは今後の検証を必要とする.

4. 食物認知と摂食行動

血糖値やホルモン濃度の変動など,生体エネルギーバランスの変化は脳の視床下部弓状核(ARC)にあるプロオピオメラノコルチン産生(POMC)神経とアグーチ関連ペプチド産生(AgRP)神経の神経活性バランスに置換される(図2).これらの神経はペアでエネルギー計測器の役割を果たしている.満腹時にはPOMC神経活性,空腹時にはAgRP神経活性が優位となり,それを基に二次や三次ニューロンを介して適応反応が誘発される.ところが,空腹時に食物の知覚情報を認知すると,摂食前にもかかわらず一過的にAgRP神経活性が抑制され,POMC神経が活性化する4).一見,矛盾と思われる反応であるが,最近,その生理的意義が明らかになりつつある.

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図2 嗅覚と脂質代謝の連係による糖尿病の防止

空腹時に食物の存在を察知し,まもなく開始される食事を期待すると,摂取の前段階で満腹感が誘発されることがある.この摂食前満腹感の機序には脳の視床下部におけるGLP-1作用が関与することが報告された.マウスが既知の食物の存在を知覚すると,視床下部背内側核(DMH)のGLP-1受容体発現神経が活性化し,視床下部ARCのAgRP(ニューロペプチドY共発現)神経を直接的に阻害し,食物摂取量を低下させた.ヒトでも食前満腹感はGLP-1受容体作動薬投与により増加した8).AgRP神経活性は空腹時の「負の感情」の伝達に関わることが知られており,GLP-1作用はその気持ちの切り替えをもたらすのであろう.

しかし,食物の存在を認知しても,アクセスできないとなると話は別だ.好物の食餌を金網に囲まれた状態で提示された雌マウスは,情動的ストレスを受け,過食を呈する.その機序として,視床室傍核から島皮質に投射するグルタミン神経の特異的な活性化が認められ,その神経を薬理遺伝学的に抑制するとストレス誘発性の過食は防止された.性差があり,この情動的ストレスモデルで過食を示すのは雌マウスだけ9)とのことだ.

5. 食物認知と糖・脂質代謝

パブロフの条件反射では食事前に消化・吸収が活性化することが知られているが,代謝への影響は不明であった.最近,我々は,食前の食物の匂いが脂質代謝を活性化することを見いだした10).その影響は食前,食後に加え,長期間高脂肪食を摂取した状況にも及んだ(図2).長時間絶食したマウスを食物の匂いで刺激すると,食前に,嗅球→梨状皮質→視床下部POMC神経のネットワーク経路が活性化し,交感神経の活性化を介して白色脂肪組織で脂肪分解が誘発され,血中の遊離脂肪酸やケトン体の濃度が上昇する.食前の血中への脂質動員はエネルギー不足の解消に有用である.また,絶食マウスを食物の匂いで刺激すると,食後に,嗅球→梨状皮質→視床下部AgRP神経のネットワーク経路が活性化し,交感神経の抑制を介して腸管からの脂質吸収,肝臓の代謝活性の増加,白色脂肪組織での脂肪蓄積が誘発され,全身での脂質燃焼が促進された(呼吸商が低下した).梨状皮質は嗅覚記憶の処理に関わる脳領域であり,薬理遺伝学的に抑制すると,嗅覚性の認知行動と脂質利用がいずれも消失した.「匂う」だけでなく,その「匂いを認知する」ことが嗅覚-脂質代謝連係に必要なのである.高脂肪食負荷でマウスの肥満が進展する期間に,週2回定期的に絶食し,毎回,食物の匂いを嗅いだ後に再摂食を開始すると,「ダイエット効果」による肥満防止への上乗せ効果として,嗅覚刺激によるインスリン感受性の増加や血糖値の低下を認めた.このように,嗅覚を起点に,中枢性代謝調節機構が食前・食後に脂質の利用を高め,高脂肪食を長期間摂取した際には糖尿病の防止に寄与する(図2).

一方,比較的短時間の絶食を施したマウスにおいても,食物知覚は急性的に視床下部POMC神経の活性化を引き起こし,交感神経を介して肝臓のmTORシグナルとそれに伴う小胞体ストレス適応反応を誘導する6).同時に,食物知覚によってインスリン分泌が一過性に増加し,それに伴い,肝細胞内で活性化したAktがミトコンドリア-小胞体接合部においてミトコンドリア分裂因子(MFF)のSer131リン酸化を誘発してすばやくミトコンドリアの断片化を引き起こす.このMFF-Ser131リン酸化はmTORシグナル下流の肝小胞体ストレス適応反応の誘発に不可欠であった.MFF-S131リン酸化を阻害したマウスでは,体重や耐糖能は不変であるが,全身のインスリン抵抗性が生じ,インスリンによる肝糖産生の抑制が破綻することが報告された6).この研究では,嗅覚と視覚の両方で食物認知したマウスが用いられたが,絶食マウスは(ほぼ)嗅覚のみを活用して食物を認識するので10),食物認知直後に認められた肝臓の代謝調節の変化は匂いの認知によって誘発された可能性が高い.実際,我々も,空腹マウスに対する食物の匂い刺激が再摂食時に肝臓の小胞体ストレスを軽減させることを認めた10).肝小胞体ストレスはインスリン抵抗性を誘発する主要因子であり,それを抑止する嗅覚系は糖尿病の進展を防止する重要な標的と考えられる(図2).

6. 嗅覚とエネルギー代謝

食物の匂いの話はさておき,嗅覚の感度を変化させると代謝が変化するかを検証した動物実験の報告もある.嗅球の僧帽細胞や房飾細胞のKv1.3チャネルを遺伝子欠損や阻害薬で抑制するとこれらの神経が興奮し,恒常的に嗅覚の識別能力が亢進する.その「超」嗅覚マウスでは,カロリー摂取量は不変ながら,エネルギー基質として脂質の利用が高まり,高脂肪食の長期間負荷に伴う肥満や耐糖能異常が軽減される11).逆に,嗅球神経を抑制するとエネルギー代謝が低下して肥満型となる.これらは,上述した食物の匂いがもたらす脂質利用や長期的な糖尿病防止効果の成績と一致する.

食物以外の匂い刺激も脂質代謝に影響する.たとえば,グレープフルーツの精油の匂いはマウスの交感神経を活性化して血中遊離脂肪酸やグリセロール濃度を上昇させる12).マウスに嗜好性の高いムスコンの匂いも血中遊離脂肪酸濃度を上昇させる10).天敵の匂いに対する反応には性差があり,雄では反応を認めないが10),雌マウスでは天敵の匂い2,5-dihydro-2,4,5-trimethylthiazole(TMT)によって褐色脂肪組織の熱産生の増加,摂食の抑制,コルチコステロン分泌の増加が認められた13).このように,先天的に獲得した匂い記憶の一部は脂質代謝の駆動に寄与する.今後,脂質利用を高めて代謝異常を防止する匂い物質が開発されることが期待される.

7. 嗅覚機能を高める生活習慣とは?

高脂肪食の摂取が肥満を誘発して嗅覚障害を誘発することは上述したとおりであるが5),最近,加工食品も嗅覚障害を誘発することが動物実験で示された14).穀物ベースの標準食(Chow:炭水化物54%,脂肪14%,タンパク質32%)を通常どおり摂取したマウスに比べ,高度に加工された対照食(hpCTR:炭水化物70%,脂肪10%,タンパク質20%)や高度に加工された高脂肪食(hpHFD:炭水化物20%,脂肪60%,タンパク質20%)を短期間摂取したマウスは嗅覚感受性が低下し,嗅覚認知行動に異常を呈した.同時に,hpCTRやhpHFDの摂取は脳内の(おそらくグリア細胞における)グルコース代謝の亢進や,神経炎症に関連する遺伝子発現の変動を誘発した.Chowと比べ,hpHFDは肥満を誘発したが,hpCTRは体重に影響しなかった.これらの結果から,高度に加工された食物は,体重変化とは無関係に,嗅覚や脳の機能異常を引き起こすことが示された.嗅覚と代謝の連係機構を維持するためにも,食品中の栄養素組成やカロリー含量だけでなく,食品の加工度合いにも留意する必要がある.

睡眠不足も嗅覚鈍麻の誘因である.健常人を対象に,24時間の持続的な覚醒の影響を調べた結果,匂いを同定する能力が著しく低下したとの報告がある15).睡眠–覚醒サイクルの維持には視床下部オレキシン神経系の機能が不可欠である.オレキシンを消失すると睡眠状態と覚醒状態の維持が困難となり,重度の睡眠障害であるナルコレプシーを誘発する.また,視床下部オレキシン神経系の一部は嗅覚系に投射しており,嗅球の神経細胞にはオレキシンとオレキシン受容体の各タンパク質が発現する.ナルコレプシー患者は嗅覚鈍麻を呈し,オレキシンAの経鼻投与はナルコレプシー患者の嗅覚障害を改善した16).ラットを用いた条件づけ嗅覚嫌悪試験においても,オレキシンAの脳室内投与は嗅覚感度を高めた16).脳内におけるオレキシン神経の活性には日周リズムがあり,明暗と食事のサイクルに同調する.したがって,規則正しい生活リズムを維持する習慣は,オレキシンの日周作用を強化し,嗅覚の機能維持に寄与すると考えられる.

8. おわりに

本稿では嗅覚と代謝という,体の位置的にもかなり離れた二つの生理機能のつながりについて,歴史的背景と最新の知見を紹介した.感覚情報が脳へ入力し,認知され,出力されるプロセスは脳内の非常に複雑なネットワークによって制御されており,まだブラックボックスの状態である.その謎に迫るため,今,認知神経科学の基盤概念となっているのがグローバル・ニューロナル・ワークスペース理論(GNW理論;Dehaene–Changeux model)である.その理論によると,脳内では分業体制が敷かれており,普段は嗅覚や視覚など,各機能を担当するモジュールは無意識のうちに個別に情報処理を行っている.しかし,いったん注目すべき感覚情報が発生すると,それを脳内の限られた領域(グローバル・ニューロナル・ワークスペース)に送り込んで複数のモジュール間で情報共有し,連携体制で課題解決に取り組む.そこに「意識」が生まれると考えられている.GNW理論は人工知能(AI)分野でも脚光を浴びており,次世代の汎用型AIやAIロボットの開発に活用されている.提唱者のジャン=ピエール・シャンジュー教授は,筆者が若き日にフランス留学した際の師であり,共に過ごした場所から生まれた理論かと思うと感慨もひとしおである.匂いが漂ってくると,今日も脳はトップダウンのパターン照合で何の匂いかを割り出し,“食べ物”と判断された嗅覚情報はグローバル・ワークスペースに送られ,代謝モジュールとのつながりを形成する.その結果,代謝恒常性が維持されるのであろう(図3).休むまもなく感覚情報を処理し続ける「脳」には,頭が下がる思いである.

Journal of Japanese Biochemical Society 97(1): 52-56 (2025)

図3 脳のグローバル・ニューロナル・ワークスペース(GNW)で相互作用する嗅覚モジュールと代謝調節モジュール(仮説)

引用文献References

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著者紹介Author Profile

恒枝 宏史(つねき ひろし)

富山大学学術研究部(薬学・和漢系)臨床薬品作用学研究室 教授.博士(薬学).

略歴

1965年岡山県に生る.89年富山医科薬科大学薬学部卒業.94年同大学院修了後,学振特別研究員,パスツール研究所(仏国)・ベイラー医科大学(米国)留学,富山医科薬科大学助手,富山大学准教授を経て,2022年より現職.

研究テーマと抱負

「脳の機能を活用して糖尿病を防止するにはどうすれば良いか」をテーマに掲げ,五感,睡眠・覚醒,高次中枢機能(うつ・認知症防止)を標的に,中枢性代謝調節を促進するための新規介入法の開発を目指す.

ウェブサイト

http://www. pha.u-toyama.ac.jp/clinphar/index-j.html

趣味

読書,ジョギング.

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