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公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 97(2): 152-157 (2025)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970152

特集

JAK阻害薬によるアトピー性皮膚炎の痒み制御

浜松医科大学皮膚科学講座 ◇ 〒431–3192 静岡県浜松市中央区半田山1–20–1

発行日:2025年4月25日
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アトピー性皮膚炎は強い痒みを大きな特徴とする.アトピー性皮膚炎の痒みは多くの場合抗ヒスタミン薬に抵抗性であり,その本態は長年不明であった.しかし近年,IL-31, IL-4, IL-13を代表とするタイプ2サイトカインがアトピー性皮膚炎の痒みに中心的な役割を果たしていることが,基礎研究・臨床的事実の双方から明らかとなってきた.実際それらタイプ2サイトカインに対する生物学的製剤は優れた痒み抑制効果を発揮する.また,これらタイプ2サイトカインはいずれもそのシグナル伝達にJAKを介している.2024年7月現在,本邦では3種類の経口JAK阻害薬がアトピー性皮膚炎治療薬として臨床応用され,いずれの薬剤も炎症抑制効果のみならず,優れた痒み抑制効果を発揮し,アトピー性皮膚炎治療の重要な治療選択肢となっている.

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