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公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 97(2): 180-191 (2025)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970180

総説

特異的ユビキチン化による神経ネットワークの形成と機能の制御機序

群馬大学大学院医学系研究科薬理学分野 ◇ 〒371–8511 群馬県前橋市昭和町3–39–22

発行日:2025年4月25日
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近年のヒトゲノム解析研究から,特異的ユビキチン化を触媒するE3リガーゼの遺伝子が自閉スペクトラム症をはじめとした発達障害の原因遺伝子であるとの報告が数多く発表された.しかし,神経ネットワークの形成と機能における特異的ユビキチン化の役割についての基礎研究分野は始まったばかりである.筆者らは,脳発達時期に発現量が多いNedd4ファミリーE3リガーゼによって触媒されるユビキチン化に注目して,生化学,細胞生物学,電気生理学,組織学の手法を組み合わせて研究してきた.本稿では,超解像顕微鏡を取り入れた最近の研究も含めて,筆者らの研究の成果を中心に神経ネットワークの形成と機能における特異的ユビキチン化の役割について説明したい.そして,この研究分野の将来性と方向性についても議論したい.

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