Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 97(3): 290-298 (2025)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970290

総説

光合成細菌の硫黄代謝から解明する超硫黄分子の検知機構

奈良女子大学研究院自然科学系 ◇ 〒630–8506 奈良県奈良市北魚屋西町

発行日:2025年6月25日
HTMLPDFEPUB3

超硫黄分子は,分子内に過剰な硫黄原子が付加されたポリスルフィド構造を持つ硫黄化合物で,ほとんどすべての生物において,さまざまな生理活動の制御に不可欠な役割を果たしている.近年,細胞内で超硫黄分子が生成されることが証明されたが,超硫黄分子の代謝と検知機構との関係はよくわかっていない.これを解決するための優れた研究材料として,硫化水素を用いて光合成を行う光合成細菌があげられる.本稿では,光合成細菌から同定された超硫黄分子応答性の転写因子SqrRによる転写制御系と超硫黄分子の代謝動態の関係性について解説したうえで,光合成細菌をプラットフォームとした超硫黄分子研究の今後の展開について紹介する.

This page was created on 2025-05-12T09:35:01.166+09:00
This page was last modified on 2025-06-09T13:33:17.000+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。