atypical RasファミリーκB-Rasの生物学的機能Biological functions of the atypical Ras family κB-Ras
群馬大学大学院保健学研究科生体情報検査科学Gunma University Graduate School of Health Sciences ◇ 〒371–8514 群馬県前橋市昭和町3丁目39–22 ◇ 3–39–22 Showa-machi, Maebashi, Gunma 371–8514, Japan
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atypical Rasファミリーの一つであるκB-Ras[NF-κB inhibitor Ras (NKIRas)とも呼ばれる]が同定されて20数年が経過した.κB-Rasは転写因子NF-κBを抑制するRasファミリーとして報告されたが,我々は,κB-Rasのユニークな一次構造に着目し,そのタンパク質の性質や機能に興味を持ち,研究を開始した.その結果,κB-Rasは,結合するグアニンヌクレオチドにより,その細胞内局在を大きく変化させるだけでなく,染色体上にも局在する非常にユニークなタンパク質であることがわかってきた.さらに,国内外の研究グループによって,κB-Rasががん抑制シグナル分子として機能することも明らかにされてきた.しかし,発がんシグナルにおけるκB-Rasの役割が当初考えられていたものほど単純なものではないこともわかってきた.本稿では,現在まで明らかになったκB-Rasの機能について解説するとともに,今後の課題について考察する.
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