Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 97(5): 626-645 (2025)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970626

総説Review

多種多様な両親媒性αヘリックスMultifaceted roles of amphipathic α-helices in membrane systems

大阪大学蛋白質研究所膜システム生物学研究室Laboratory for Membrane Systems Biology, Institute for Protein Research, The University of Osaka ◇ 〒565–0871 大阪府吹田市山田丘3–2 ◇ 3–2 Yamadaoka, Suita-shi, Osaka 565–0871, Japan

発行日:2025年10月25日Published: October 25, 2025
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両親媒性αヘリックスは脂質結合モジュールの一つであり,真核細胞からウイルスに至るさまざまな生物種由来のタンパク質に存在する.短いものは10アミノ酸程度から長いものは100アミノ酸を超えるものまで存在するが,すべてに共通しているのは膜と結合した際のαヘリックスの形成と,その構造をとった際に現れる両親媒性という2点である.そのシンプルな特徴のため,アミノ酸配列情報のみでは機能的な両親媒性αヘリックスなのかどうか判断が非常に難しい.また,両親媒性αヘリックスは個別に解析されているものが多く,類似性や共通性など,一般化した議論がなされる機会はそれほど多くない.そこで本稿では,基本的な性質からその解析手法,生理機能などを可能な限り幅広い視点でまとめることを目指した.後半では著者が専門とするオートファジー関連分子で報告されている両親媒性αヘリックスを最新の知見を交えながら概説する.

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