Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 98(1): 81-88 (2026)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980081

総説Review

リン脂質スクランブラーゼの作動原理The action mechanism of phospholipid scramblases

大阪大学免疫学フロンティア研究センター免疫・生化学Immunology Frontier Research Center, Osaka University ◇ 〒565–0871 大阪府吹田市山田丘3–1 ◇ 3–1 Yamadaoka, Suita, Osaka 565–0871, Japan

発行日:2026年2月25日Published: February 25, 2026
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真核細胞の細胞膜を構成するリン脂質は通常,脂質二重層の内層と外層で非対称的に分布しており,ホスファチジルセリン(PtdSer)はそのほとんどが内層に存在する.ところが,この非対称分布は生体内のさまざまな場面で崩壊し,PtdSerが細胞表面に露出され,死細胞の貪食や血液凝固を促すシグナルとして作用する.この過程で働くのが,リン脂質を区別なく双方向に輸送する膜タンパク質,スクランブラーゼである.これまでに,カルシウム依存的スクランブラーゼTMEM16Fおよびカスパーゼ依存的スクランブラーゼXKR8が同定された.これらのスクランブラーゼはどのようにリン脂質を認識し輸送するのか,その活性はいかにして制御されるのか? 立体構造解析を中心とした研究により,その作動原理の一端が明らかとなってきた.

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