Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 98(2): 245-251 (2026)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980245

特集Special Review

哺乳類概日時計中枢の時間調節に関わる分子Molecular mechanisms underlying circadian regulation in the central circadian clock

名古屋大学・環境医学研究所Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University ◇ 〒464–8601 愛知県名古屋市千種区不老町 ◇ Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, Aichi 464–8601, Japan

発行日:2026年4月25日Published: April 25, 2026
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哺乳類の概日時計は転写翻訳フィードバックループ(TTFL)により調節されると考えられ,その過程には細胞内cAMPやCa2+といったセカンドメッセンジャーが重要な役割を果たす.概日時計の中枢である視交叉上核では,cAMPの概日リズムがTTFLに入力し,細胞間の同期を維持して概日行動リズムの調節に寄与することが示されている.近年の光イメージング技術により,このcAMPリズムはTTFLではなく神経ネットワークに依存して形成されることが明らかとなった.また,視交叉上核に発現する神経ペプチドVIPはcAMPを上昇させ周期延長を引き起こす一方,外側視床下部のオレキシンやMCHなどの神経ペプチド陽性ニューロンは視交叉上核へ投射し,cAMPを低下させ周期短縮をもたらす.こうした多様な入力がcAMPを介して概日リズムを調節することが明らかになっている.

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