Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(6): 829-837 (2024)
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総説Review

大量の微小区画化ユニットを用いたヘテロな細胞応答の解析Analysis of heterogeneous cellular responses using sub-millimeter compartmentalized units

東京大学先端科学技術研究センターResearch Center for Advanced Science and Technology, The University of Tokyo ◇ 〒153‒8904 東京都目黒区駒場4‒6‒1 ◇ 4‒6‒1 Komaba, Meguro, Tokyo 153‒8904, Japan

発行日:2024年12月25日Published: December 25, 2024
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本稿では,ヘテロな細胞集団の大量解析の重要性と技術的アプローチについて概説する.疾患細胞を含むさまざまな細胞集団のヘテロ性が明らかになる中,大量の個々の細胞を多面的に解析する技術の必要性が高まっている.従来のウェル型解析では,解析可能なスケールに限界があるため,マイクロ流体技術を用いて個々の細胞を微小区画化する技術の開発が進んでいる.この技術を用いれば,低コストで大量のサンプルをハイスループットに培養・解析することが可能である.また,この技術は大量の微小区画内で多細胞体を大量に作製することにも応用されている.具体的には,単一B細胞からのIgG分泌量計測や,T細胞と標的細胞の相互作用解析,均一サイズのがんスフェロイドの大量作製などが達成されており,生物医学研究や医療応用への貢献が期待される.

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