生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society

アトモスフィア Atmosphere

少年老い易く―高齢化社会と生化学会― Foreword

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870409
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総説 Reviews

マイクロRNA(miRNA)はどのように産生されるのか,そして,どのように遺伝子発現を調節するのか:miRNAのユニークな生合成調節機構と遺伝子発現調節機構に関するこれまでの知見を概説する.

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生体膜を構成するリン脂質は非対称性を有しているが,生体内においてさまざまな状況でその非対称性は崩壊する.この過程はリン脂質をスクランブルさせるタンパク質によって行われておりその機能について概説する.

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正確な神経回路を構築するためには,神経細胞は周囲のさまざまなガイダンス分子に応答する必要がある.本稿では主に,筆者らが明らかにしてきた低分子量Gタンパク質の活性制御を介したガイダンス分子シグナル伝達経路について紹介する.

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ビタミンDが体内で活性型ビタミンDに変換されて作用することは周知の事実であるが,ヒト由来酵素を用いた代謝研究,培養細胞やノックアウトマウスを用いた解析から,これまで前駆体と考えられていた25-ヒドロキシビタミンDの重要性が明らかになった.

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みにれびゅう Minireviews

褐色脂肪組織は熱産生を担う「燃える脂肪」であり,メタボリック症候群の治療標的として注目されている.ヒト検体の入手は困難であり研究ツールがないことが問題であったが,筆者らはヒトES/iPS細胞から高純度に褐色脂肪細胞を作製することに成功した.

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外膜はグラム陰性細菌が環境の変化に順応して生存するために必須の構造である.本稿では外膜構成因子の局在化機構を概説するとともに,リポ多糖の輸送に働くLptD/E複合体の生合成機構と,その生合成および品質管理に関与するプロテアーゼBepAの機能を紹介する.

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T. thermophilus株のType III-B CRISPR-Casシステムにおいて中心的な役割を果たすCmr複合体は6塩基ごとにRNAを切断する.そのメカニズムを構造生物学的に解析した結果,Cmr4サブユニットに存在する突出したβ-ヘアピン構造が重要であった.

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NOTCH1のリガンド結合部位に存在し,GlcNAc転移酵素Fringeによって伸長されるO-Fuc糖鎖は,EGF12領域のポリペプチドと相互作用することによって安定したリガンド結合表面を形成し,NOTCH1リガンドであるJagged1およびDLL1リガンドに対する親和性の上昇に寄与する.

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修飾核酸塩基をDNA内に導入することによりDNA内過剰電子移動の詳細が明らかになり,またその高効率化も可能となった.さらに修飾ペプチド核酸は,光照射によって位置選択的にDNAに酸化損傷を与えられるツールとして機能することがわかった.

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近年,シナプス形成におけるヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)とヘパラン硫酸微細糖鎖構造の重要性が明らかにされつつある.本稿では,ショウジョウバエで示された神経筋シナプス形成におけるHSPGの機能とその作用機序について紹介する.

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麹菌に見いだされた新規III型ポリケタイド合成酵素CsyBは,2分子のβ-ケトアシルCoAを縮合し,3-アセチル-4-ヒドロキシ-6-アルキル-α-ピロンを生成するが,その反応機構の詳細が明らかとなった.

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16S rRNAは細菌リボソーム小サブユニットの中核因子であり,種に固有な分子として進化系統解析に多用されてきた.我々は大腸菌16S rRNAが異種16S rRNAと交換可能なことを見いだした.では変異リボソームはいかにして構造・機能を成り立たせているのだろうか?

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PQBP1遺伝子の変異は知的障害の原因の一つと考えられている.本稿では,PQBP1のYxxPxxVLモチーフがスプライソソーム構成因子U5-15kDとの結合に必須であることを明らかにし, PQBP1遺伝子の変異がその機能に与える影響を考察する.

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オートファジーは感染症,神経変性疾患,老化,寿命,がん,代謝性疾患,炎症性疾患から生体を保護できる.オートファジーに必須のタンパク質Beclin 1由来のTatbeclin1ペプチドが,HIVを含む感染症およびハンチントン病を改善する我々の最近の研究について紹介したい.

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分化した神経細胞は細胞周期から離脱するが,近年,増殖停止した神経細胞において,いくつかの細胞周期関連分子が「細胞周期非依存的な機能」を持つことが明らかとなってきた.本稿では,大脳皮質形成における細胞周期関連分子の新たな役割を紹介したい.

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