生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
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アトモスフィアAtmosphere

現象と本質

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900001
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特集「オルガネラの生物機能と疾患における破綻機構」の企画にあたって:企画 伊藤孝司Special Reviews
Biological functions of organelles and failure mechanism in diseases, Kohji Itoh(eds)

真核細胞の大きな特徴である,細胞内小器官(オルガネラ)は,遺伝子発現,エネルギー産生,代謝などの細胞機能を生理的に調節するとともに,細胞外環境との相互作用にも重要な役割を果たしている.一方,オルガネラ自体を構成する生体分子や内包される酵素・タンパク質のみならず,オルガネラ間の相互作用や細胞内輸送に関わる分子群の遺伝的欠損や機能異常に基づき,細胞や生物機能の恒常性が破綻し,さまざまな疾患の原因になることが明らかにされている.本特集では,オルガネラの中で,小胞体,ゴルジ体,エンドソーム,ペルオキシソーム,リソソームおよびオートファゴソームなどの生理機能や疾患との関わりについて,独創的な研究を進めてきた,我が国の生化学・分子生物学者に執筆を依頼し,近年のオルガネラ研究の動向と,疾患病態の解明や医療応用などへの新展開について紹介する.

ペルオキシソームの恒常性と生理機能制御Regulation of peroxisome homeostasis and functions

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900005

細胞小器官ペルオキシソームの生合成と分解,主要な生理機能である脂肪酸のβ-酸化反応,カタラーゼによる過酸化水素の分解,エーテルリン脂質プラスマローゲンの生合成制御などペルオキシソームの恒常性と生理機能の制御に関する最新の知見を紹介する.

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ペルオキシソームにおける脂肪酸代謝と疾患Dysfunction of peroxisomal β-oxidation and related diseases

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900014

ペルオキシソームの脂質代謝が滞ると神経組織に異常が起きる.しかし、なぜ、そうなるのか?については不明のままであった.最近、ノックアウトマウスの解析からオリゴデンドロサイトのペルオキシソームが神経変性と密接に関連することがわかった.

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ゴルジ体病とゴルジ体の新機能Golgipathies and the novel functions of the Golgi apparatus

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900021

ゴルジ体の構造や機能の不全は,タンパク質の修飾異常を引き起こし,神経変性疾患や糖鎖合成異常症などの原因となる.近年,ゴルジ体が情報伝達系の足場となっており,その異常が発がんの要因となることも明らかになってきた.

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神経軸索におけるオートファジーとその破綻Axonal autophagy and its disruption in human diseases

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900027

次世代型シークエンサーなどの発達により,さまざまな疾患の責任遺伝子が再解析されている.神経疾患もこの対象となっているが,同定された責任遺伝子の中にはほぼオートファジー関連遺伝子が含まれている.本稿では神経疾患とオートファジーの関連について最新の知見を取り込み解説する.

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エンドソームの機能破綻に起因する疾患とその発症メカニズムRecycling endosome and its related diseases

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900035

エンドソームは,エンドサイトーシスによって取り込まれた物質の輸送を担うオルガネラの総称である.本稿では,物質のリサイクルを中心に行うリサイクリングエンドソームに焦点をあて,その分子制御機構および機能破綻によって起こる疾患について概説する.

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分裂酵母のオルガネラの特徴と分子制御メカニズムCharacteristics and molecular control mechanisms of organelle in fission yeast

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900043

分裂酵母のオルガネラは他の酵母と比較しても特徴がある.特にゴルジ体の層板構造の特徴や酵母では唯一のガラクトース鎖生合成経路,ゴルジ体膜を足場として機能するロンボイドプロテアーゼなど最近の知見を紹介する.

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小胞体ストレスと疾患Endoplasmic reticulum stress and diseases

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900051

細胞内外の環境変化は小胞体機能に影響を及ぼす.小胞体機能の障害は小胞体ストレスを引き起こし,ストレス状態が持続すると細胞死に至る.小胞体ストレスはさまざまな疾患発症の原因となる.本稿では小胞体ストレスと疾患との関連性と治療戦略について概説する.

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リソソームの生理機能制御とリソソーム病における異常Physiological regulation of lysosomal functions and pathogenesis in lysosomal storage diseases

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900060

リソソームは,オートファジーなど生理的役割や病態において重要な役割を演じている細胞内オルガネラである.本稿では,生合成やオートファジーといった生理機能の制御について述べ,リソソーム病の病態解析および治療法について最近の知見を加えて紹介する.

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総説Reviews

軸索起始部の構造と機能による神経興奮性の制御Regulation of neuronal excitability at the axon initial segment

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900069

神経細胞における活動決定の要である軸索起始部は,可塑性の場として,その構造や機能を多彩に変化させる.これらの構造機能変化は互いに連関し,回路活動を巧妙に調節することで,脳の生理機能,発達や病態に深く関わっている.

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みにれびゅうMini Reviews

スフィンゴ糖脂質による細胞膜分子制御機構の普遍性Control mechanism of cell membrane molecules by sphingoglycolipids

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900075

スフィンゴ糖脂質の種類や発現量に依存して細胞膜分子が調節されることは既知である.本稿では,ネフローゼ症候群におけるスフィンゴ糖脂質による細胞膜分子の調節の可能性と疾患との関連を紹介しつつ,組織を超えたスフィンゴ糖脂質の機能について考えたい.

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病原レンサ球菌の感染過程における莢膜糖鎖と糖鎖分解酵素の役割Role of streptococcal polysaccharide capsules and glycosidases in the pathogenesis

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900080

病原細菌は,自身による糖鎖の合成や宿主の糖鎖の分解を行うことで宿主免疫機構を回避し,感染を成立させることが明らかとなってきた.本稿では,ヒトに重篤な疾患を引き起こすレンサ球菌について,近年報告された糖鎖を利用した免疫回避機構を解説する.

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細胞タグ機構:行動タグのための記憶アロケーションの空間的重複Cellular tagging framework: The spatial overlapping of ensemble allocation for behavioral tagging

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900084

普段は忘れてしまうような些細な経験が,短い時間間隔で生じた鮮烈な体験によって,安定した記憶へと変換される現象が存在し,行動タグと呼ばれている.本稿では,我々が明らかにした行動タグ成立時の回路基盤について紹介したい.

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ステロイドホルモン分泌の新たな分子機構とその意義A novel molecular mechanism for steroid hormone secretion and its significance

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900090

脂溶性のステロイドホルモンは,細胞膜の脂質二重層を自由に透過して分泌・吸収されるものと考えられてきた.キイロショウジョウバエを用いた我々の最新の研究は,新たな分泌機構を提示することで,ステロイドホルモンの単純拡散仮説に疑問を投げかける.

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記憶におけるシアリダーゼの役割Role of sialidase in memory processing

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900094

シアリダーゼは神経活動と連動して酵素活性を変化させ,糖鎖からシアル酸を脱離する.このようなシアリダーゼによる糖鎖構造の制御は,記憶において重要な役割を担う.本稿では筆者らの研究成果を中心に,記憶におけるシアリダーゼの役割について概説する.

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スカベンジャー受容体を介した無菌的炎症の収束メカニズムThe mechanism underlying the resolution of sterile inflammation through scavenger receptor

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900099

脳卒中は本邦の寝たきりの主因であり,その8割を占める脳梗塞では,脳組織の虚血壊死に伴うDAMPsの放出が炎症の起点となり,さらに炎症の収束にもDAMPsが重要な役割を持つ.脳梗塞後の炎症を制御する新規治療法の開発に期待が高まっている.

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Nrf2によるグルコース代謝恒常性維持機構の解明Keap1-Nrf2 system in the maintenance of glucose metabolisms homeostasis

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900103

Nrf2は生体防御の鍵となる転写因子であるが,膵β細胞や視床下部では抗酸化酵素遺伝子発現制御により,肝臓や骨格筋では酸化ストレスと独立した糖新生酵素やグリコーゲン代謝酵素遺伝子発現制御によりグルコース代謝恒常性維持に貢献している.

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