生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society

追悼

宇井理生先生を偲んで

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.98.1.i
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鑑往知来~生化学会100年の軌跡 JBS 100th Anniversary Special Articles


アトモスフィア Atmosphere

「使える」生化学を目指して Foreword

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980009
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創刊100周年記念総説 JBS 100th Anniversary Special Article

会誌「生化学」は日本生化学会の設立と同年である1925年(大正14年)10月に創刊され,2025年で創刊100周年を迎える運びとなりました.これを記念し,生化学会の100年を振り返る特別寄稿を企画いたしました.97巻1号より掲載中の歴代大会会頭による「鑑往知来~生化学会100年の軌跡」に続き,98巻1号から歴代会長による「特別総説」を掲載いたします.なお,特別寄稿のバックナンバーは「日本生化学会100周年記念ウェブサイト」(https://www.jbsoc.or.jp/100th_aniv/) でご覧いただけます.

DNAX分子細胞生物学研究所 DNAX Research Institute of Molecular and Cellular Biology

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980017
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総説 Reviews

小胞体Ca2+放出の分子構築 Molecular constitution of store Ca2+ release

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980025

リアノジン受容体による生理的な小胞体Ca2+放出は結合膜構造を構築するジャンクトフィリンやカウンターイオン動態に寄与するTRICチャネルなどを要求し,これら分子群の異常はCa2+ストア機能障害に起因するさまざまな疾患を引き起こす.

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がん転移における活性酸素種の役割:酸化ストレスからの逃亡という新たな視点 Reactive oxygen species in cancer metastasis: A novel perspective on escape from oxidative stress

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980036

転移の過程で,がん細胞は幾度となく活性酸素種の蓄積による酸化ストレスに直面するため,いかに回避,適応,もしくは活用するかが転移の成否を左右する.本稿では一連の転移過程においてがん細胞が経験する活性酸素種の産生源とその影響について概説する.

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フェロトーシス誘導起点としてのリソソーム Lysosomes as a key organelle for ferroptosis induction

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980047

フェロトーシスの誘導と阻害は,がんや神経変性疾患,臓器障害の新しい治療法として注目されており,その誘導メカニズムの解明が重要となっている.本稿では,蛍光プローブを用いたフェロトーシス誘導起点の同定について,最近の知見を紹介する.

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細胞内鉄・ヘムを検出可能な蛍光プローブの開発と応用 Development and application of fluorescent probes for labile iron and heme

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980056

鉄はほぼすべての地球上に存在する生物が保有しており,重要な生命機能を担う重要な金属種である.本稿では,細胞内,体内における鉄(II)イオン・ヘムを検出できる蛍光プローブ・化学プローブについて,この10年程度の技術開発と応用例を中心に紹介する.

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がん化学療法の精密化を目指したDNA損傷応答研究—SLFN11による効果予測・耐性克服・副作用制御への展望— Precision chemotherapy informed by DNA damage response research: SLFN11 as a predictor of efficacy, resistance, and toxicity

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980068

DNA損傷応答研究の進展を概説し,DNA障害型抗がん剤の効果を高めるSLFN11に焦点を当てて,効果予測・耐性克服・副作用低減に向けた精密化学療法の展望を示す.

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リン脂質スクランブラーゼの作動原理 The action mechanism of phospholipid scramblases

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980081

細胞表面へのホスファチジルセリン露出に関与する膜タンパク質,リン脂質スクランブラーゼはどのようにリン脂質を認識し輸送するのか,その活性はいかにして制御されるのか? 立体構造解析を中心とした研究により,その作動原理の一端が明らかとなってきた.

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アグレッシブNK細胞白血病に対するトランスフェリン受容体を標的とした新規治療開発とそこから明らかになった鉄代謝メカニズム Development of a Novel Therapeutics Targeting the Transferrin Receptor for Aggressive NK Cell Leukemia and the Iron Metabolism Mechanism Revealed Thereby

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980089

超予後不良希少疾患であるアグレッシブNK白血病のモデルマウスを作出し,新規治療標的トランスフェリン受容体を同定した.トランスフェリンは鉄の担体であるが,その作用機序解析から新規の鉄代謝メカニズムが明らかとなった.臨床治験も進行中である.

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みにれびゅう Minireviews

コリン/エタノールアミンリン脂質のde novo合成における新知見—基質特異性・輸送機構・構造基盤— New insights into the de novo synthesis of choline/ethanolamine phospholipids: Substrate specificity, transport mechanisms, and structural basis

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980097

Kennedy経路におけるコリン/エタノールアミンリン脂質合成酵素について,細胞内局在と基質特異性を解析し,新たな脂質中間体の輸送経路を見いだした.さらに,基質特異性を規定する構造的要因を明らかにした.

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PCNAのユビキチン化が制御するDNA損傷トレランス機構 DNA damage tolerance pathways regulated by PCNA ubiquitination

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980102

DNA損傷トレランスは,DNA複製阻害を解消することによりゲノム安定性の維持に寄与する.本稿では,PCNAのユビキチン化によって制御されるDNA損傷トレランス機構について概説し,筆者らが新規因子として報告したRFWD3についても紹介する.

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造血幹細胞の発生研究を支える前駆細胞培養技術の進展 Advances in progenitor cell culture systems supporting studies on hematopoietic stem cell development

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980107

造血幹細胞の発生研究は,前駆細胞を試験管内で分化誘導できる培養技術の進展により大きく前進した.本稿では,培養技術の確立過程と,それにより明らかになった造血幹細胞発生の分子機構について概説する.

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クロマチン操作による細胞の可塑化 Controlling cell plasticity by chromatin manipulation

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980111

CRISPR ATAC-seeスクリーニングにより,クロマチンアクセシビリティ制御因子TFDP1を同定した.TFDP1を摂動するとゲノム全体のアクセシビリティが上昇し,これを応用展開することでゲノム編集やiPS細胞リプログラミングの効率を改善させることに成功した.

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植物細胞壁におけるヘミセルロース糖鎖構造とセルロース相互作用の関係 Hemicellulose–cellulose interactions in plant cell walls: The role of hemicellulose structures

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980115

植物細胞壁に含まれるヘミセルロースは,セルロースとの相互作用を介して細胞壁の構築に寄与している.本稿では,ヘミセルロースであるキシランとマンナンの糖鎖構造と,セルロースとの相互作用の関係についての最新の知見を概説する.

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リゾリン脂質アシル転移酵素LPLAT10の肝臓特異的な高発現はグルコース依存性インスリン分泌を促進する Liver-specific overexpression of lysophospholipid acyltransferase, LPLAT10, increases glucose-stimulated insulin secretion

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980120

リン脂質の多様性が,さまざまな生命現象や病態に関与することが注目されている.本稿では,筆者らが近年報告した,リゾリン脂質アシル転移酵素LPLAT10を肝臓特異的に高発現させることで,グルコース依存性インスリン分泌が促進することを見いだした研究について紹介する.

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フェレドキシンとFNRの葉型および根型アイソフォームの機能 Functional roles of leaf- and root-type isoforms of ferredoxin and FNR

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980126

植物のフェレドキシンとフェレドキシン:NADP(H)酸化還元酵素には,それぞれ「葉型」と「根型」と呼ばれるアイソフォームが存在する.本稿では,両タンパク質のアイソフォーム間の特性および生理機能の違いについて,最近の著者らの研究成果を交えて概説する.

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疾患進行における非二重らせん核酸構造の機能: 擬似細胞系SHELLによる機構的理解 Non-canonical nucleic acid structures in disease progression: Mechanistic insights from the pseudo-cell system

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980132

核酸は周辺環境によってその構造を大きく変化させる.本稿では,擬似細胞系SHELLを用いて解明された,疾患の進行過程における分子環境が核酸構造を変化させる機構について解説し,このような変化が生命現象に及ぼす影響を考察する.

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細菌が外界の鉄を感知する機構 Mechanisms of extracellular iron sensing in bacteria

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980137

細菌は効率的に鉄を獲得するために,外界の鉄を「感知」する.本稿では,分子モーターのプロトン駆動力依存的な力学的作用が膜タンパク質の多段階切断を誘導し,それによって鉄の情報が外界から細胞内へと伝達される一連のメカニズムを解説する.

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T細胞によるセルフとネオセルフの識別能がもたらす免疫寛容の破綻 Breaking immune tolerance: self and neoself discrimination by T cells in autoimmune disease

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980142

インバリアント鎖の発現量が低下すると,ネオセルフと総称される異常な自己抗原がMHCクラスII分子に提示される.T細胞はセルフとネオセルフの識別能を有しており,自己分子であるネオセルフが異物と認識されることで免疫寛容の破綻が起こると考えられた.

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ノンコーディングRNAによるスプライシング制御 ncRNA-based control of alternative splicing

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980147

ノンコーディングRNAが特定の前駆体mRNAを認識し,スプライシング因子を局所的に配置してエクソン選択を制御する仕組みを,SafPLANE5S-OTそして筆者らが見いだした4.5SHを中心に概説する.

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